シリーズ「だから子どもが増えている」02「お菓子くじ引きイベント」を開催!イベントからの入会者は5割近くに

チラシは2種類

「募集しているんだけど入って来ないね。やっぱり少子化の影響かな。それとも剣道はいまの子には合ってないのかな」

  といった声を聞きます。そんなことは言わずに、剣道の魅力をおおいに伝えてほしいと思います。

  剣道の魅力についてはたくさん私も感じています。それは追ってお話をしたいと思います。では、子どもたちがすぐに実感できる魅力とは何でしょうか。

  ひとつは、大きい声を出せるということです。いまの世の中、どこへ行ってもワイワイ騒いでいれば、

「君たち、うるさい!」

  と言われてしまうでしょう。実際、

「うるさい、と注意されたことある人!」

と聞けば、ほとんどの子どもたちは手を挙げます。そこでこう言うのです。

「剣道では、大きい声を出したら『うるさい』と言われるどころか、ほめられるんだよ。『よくがんばってる』って言われるんだよ。だから気兼ねなく大きい声を出してね」

  実際には大きい声を出すことによって肺活量が上がったり、身体がポカポカしてきたり、ストレス解消になったりといった効能があります。

  それから、人を叩くことに対するストレス解消の部分も大きいと思います。みなさんによく言うのですが、テレビのいわゆる戦隊ものに登場する正義の味方はほとんど全員が剣を持っています。

そして剣を使って悪者をやっつける。それを子どもたちは毎週見ているのです。

実際に剣道で竹刀を持てば、気分は戦隊ヒーローなのです。それでなにかを打てば、やはり爽快さを感じてくれます。

  剣道を続けていけば、新たなやりがいも感じるでしょう。たとえば、先生に言われたことを一生懸命やって、試合に出て実際に一本を取ったときの爽快感。稽古中でも、目標に向かって切り返しや打ち込みを繰り返し、先生に「よくできてるね!」「上手になってるよ!」と誉められれば、達成感を得られます。この感覚は、何年剣道をしていても続くことだと思います。一生懸命やった結果、なにかが与えられる。そのなにかは人それぞれでしょうが、それにやみつきになって愛好家は剣道をやめなくなるのです。

「お菓子もらえるから」気軽に来られるイベントで

  剣道普及に欠かせないのは、勧誘活動です。私たちのところでは年に3回、勧誘活動を行なっています。まずは3月の卒園式に合わせて幼稚園や保育所へ行き、チラシを配布します。卒園の時期には保護者の方々にグループができあがっていますので、そのなかの1グループでもつかむことができれば、数人が見学に来てくれる可能性があります。

  次に、4月の入学式に合わせて小学校へ行き、そこでもチラシを配布します。

  このチラシには、配布している学校名を明記します。会の名前にある「小曽根」と「寺内」は、どちらも小学校の名前で、二つの学校の専属教室なのか、と思う方も少なからずいます。その誤解を解くためにも「これだけ多くの地域から当剣友会に来ています」ということを伝えるために、明記するのです。

  入学式の時期にチラシを配布するところは多いのではないでしょうか。でも効果がきわめて薄い、ということも同時に感じ取っていると思います。ただ、それは当然なんです。

  4月の入学式、というのは、保護者の方にとってはもっとも忙しい時期です。たくさん手続きをしたり子どもの持ち物に名前を書いたり、4月中は他のことに目を向ける余裕はほとんどありません。私たちもチラシを配布はしますが、3回の勧誘活動のなかでもっとも重きを置いていないのは、入学式です。実はもうひと押しが必要です。そこで私たちが実施しているのが、ゴールデンウィークの時期に開くイベントです。

  なぜこの時期にするのか。それは、入学して1カ月も経てば、「なにか習い事でもひとつしてみようか」と思う時期になるからです。イベントの案内が、左上のチラシです。これは昨年のチラシですが、5・6年前は一番上に「お菓子くじ引きイベント開催」の文字を大きく出し、「先着百名にはお菓子を差し上げます」と書いたりしていました。もちろん「主催・小曽根寺内剣友会」は必ず入れています。

  ある方から「剣道を見に来たら、入会させられるのではないか」という声がありました。剣道の場合、敷居が高いと感じられてしまう。そこをどうしたらクリアできるか、と考えたとき「お菓子がもらえるから、来た」というぐらいのイベントにしよう、と思ったのです。

  イベントでは、「スーパーボールすくい」「コイン落とし」「たこせん」を出店します。それから、子どもたちには道着と袴を着けて、記念写真も撮影します。撮影した写真は、次に来てくれたらお渡しします。出店や道着を着させたり撮影などは、すべて保護者の役員の方がします。

  剣友会の説明をするのは、長くて30分程度で、あまりくどくならないようにしています。全員で整列して座って道場訓を唱えたあと、試合を見せて、簡単な説明をします。その後、面に風船を着けて、来てくれた子どもたちにその風船を割ってもらいます。整列して全員で礼をするところや試合などを見て「かっこいいな」と思ってくれれば、そして実際に風船を割って爽快感を感じてくれれば、という思いを持っていますが、メインはあくまでイベントです。「興味があったら1カ月の無料体験をしてみてください」という程度にとどめます。イベントが終わったらお菓子とおもちゃの刀をおみやげとして持って帰ってもらいます。

 このイベントも、始めて10年ほどになります。最初は何人来てくれるのか不安でしたので、保護者の方がずいぶん遠くからも知り合いをたくさん連れてきました(笑)。いまはそのようなことはしていませんが。

  平成22年は5060名の子どもたちがイベントに来てくれました。そのなかから体験入会をしてくれたのは合計30名です。そして実際に入会してくれた方は25名。

5割近くがイベントから入会につながっているのです。その入会者が新たに知り合いを連れてきたケースもあります。

  21年度は40名を超える方が入会してくれましたが、もう体育館もいっぱいになりつつありますので、23年はこのイベントは自粛することにしました。それでも、すでに見学に来ている子どもたちは10名を超えているのです。

(『剣道日本』2011年5月号掲載)

関連記事

剣道日本&新刊 PICKUP記事

  1.  現代剣道では左拳が常に身体の正中線上にあることが正しいと一般に教えられます。左拳が中心を外れた打突…
  2.  平成28年5月に発刊された『剣道 勝負への道』。指導者として経験豊富な鹿児島の會田彰範士が、試合は…
過去の記事

おすすめ記事

  1. 平成29年10月3日、えひめ国体剣道競技会は成年男子の部の2回戦(1部)以上が行なわれた。前日、初戦…
  2. 平成29年10月2日、えひめ国体(第72回国民体育大会)剣道競技会は大会2日目を迎え、午前中に少年男…
  3. 9月24日、長野市ホワイトリングで全日本女子剣道選手権大会が開催され、高橋(神奈川)が決勝で興梠(宮…
  4. 平成29年10月10日、第63回全日本東西対抗剣道大会が福岡市民体育館で開催された。5人制の女子の部…
  5. 平成29年9月5日、全国警察剣道選手権大会が開催された。結果は以下の通り。 男子 優勝・安藤…
大会結果応募フォーム
大会告知応募フォーム

剣道 新刊

ページ上部へ戻る