全国高校選抜、男子は九州学院、女子は中村学園女子が優勝

3月28日、全国高校選抜剣道大会の3回戦以降が行なわれ、男子は九州学院(熊本)が5連覇、女子は中村学園女子(福岡)が2年ぶりの優勝を果たした。両校とも昨夏のインターハイ団体戦に続いての優勝となった。
【男子決勝】
男子決勝は九州学院と水戸葵陵(茨城)の対戦となった。九州学院は先鋒近本、次鋒黒木がともにメンの一本勝ちでたたみかけ、早くも王手をかける。水戸葵陵は中堅岩部が奮起し跳び込みメンを決めて一本勝ち。杉田(水戸葵陵)と重黒木(九州学院)の副将戦は引き分けで、水戸葵陵はこの日何度も土壇場で鋭い技を決めてきた大将寒川になんとかつないだ。対する九州学院の岩切はこの大会ここまで1勝1敗3分と、決して絶対的な大黒柱とは言い切れない戦いぶりだったが、寒川に一本を許すことなく4分間をしのぎ切った。結果的には九州学院が今年も「定位置」を確保した。

次鋒戦、黒木(九州学院)が貝塚(水戸葵陵)にメンを決める。

【女子決勝】
女子決勝は中村学園女子と筑紫台の福岡決戦となった。本大会の福岡予選では筑紫台が1―0で勝利。その後の九州大会では中村学園女子がリベンジと、今シーズンもつねにしのぎを削り合ってきている。試合は先鋒戦から引き分けの連続となる。中村学園女子のインターハイ優勝メンバーである先鋒椎井、次鋒大津に対し、筑紫台の時田、小森が粘って引き分けた。秋山(中村学園女子)と上段の吉武の中堅戦も引き分け。そして副将戦で試合が動く。堂々と構える妹尾(中村学園女子)に対し、髙城が盛んに攻めたてるが、その攻めが途切れたところで妹尾が一度、二度、大技のメンを見せる。そしてさらに妹尾がメンに行くと、髙城も勝負と意を決してメンに跳んだが、妹尾のメンが一本となる。そのまま妹尾が貴重な勝利を収めた。大将戦、筑紫台の小川が渾身の力で攻めるも、山﨑は隙を見せず4分間をしのぎ切った。

副将戦、妹尾がメンを決める

【男子3回戦~準決勝】
九州学院は3回戦で浜名(静岡)と対戦、先鋒近本が二本勝ちすると、次鋒戦、中堅戦は引き分けたが、副将長尾がメンと相手の反則による二本勝ちで危なげなく勝利を収めた。育英(兵庫)との準々決勝は先鋒戦引き分け、次鋒に回った近本がやはり二本勝ちでリード、中堅引き分けのあと、副将長尾がメンの一本勝ちと、同じ2人がポイントをあげ、大将戦を待たずに準決勝進出を決めた。
桐蔭学園(神奈川)との準決勝も、やはり近本が最初のポイントをあげる。そして1―0のまま迎えた大将戦で岩切がメンを二本決めた。本大会を通じて1勝しかしていない岩切だが、この勝負どころで大黒柱の働きを見せた。チームを牽引したのは2日間6戦全勝で終えた近本だった。
一方の水戸葵陵は3回戦で小牛田農林(宮城)に5―0と完勝。しかし続く準々決勝、東海大札幌との一戦で試練を迎える。先鋒、次鋒と引き分けが続くが、中堅岩部が廣澤にわずか37秒でメン二本を奪われ完敗。さらに副将杉田も川口にメンを奪われ追い詰められた。しかし川口の反則で杉田は一本を得て、何とか大将寒川につなぐ。二本連取で代表戦という状況で登場した寒川は小田からいきなりコテを奪うと、さらにひきメンを決め1分16秒で勝利。代表戦でも廣澤にメンを浴びせ、チームを準決勝に導いた。
水戸葵陵は東福岡(福岡)との準決勝でも、青木が和田にメンを奪われ相手に先行を許す。次鋒戦引き分けのあと、岩部はドウを先取しながら新井にコテを返されるも、ドウを決めて準々決勝の汚名を返上する勝利を上げた。同点のまま迎えた大将戦、寒川はコテを先取するとさらにメンを決め、ここも大将の役目をきっちりと果たした。準々決勝、準決勝の勢いをかって臨んだ決勝だったが、「寒川砲」も封じられ4年ぶりの2位にとどまった。水戸葵陵はインターハイ団体優勝経験はあるがこの大会での優勝はまだない。

準決勝・水戸葵陵×東福岡。大将戦で寒川がコテを先取する

桐蔭学園と佐野日大(栃木)の準々決勝は4引き分けで迎えた大将戦で桐蔭学園の森山が勝利。東福岡と日吉ヶ丘(京都)の準々決勝は、東福岡の中堅新井が両軍を通じて唯一の一本を奪い勝利を決めた。
3回戦は8試合中2試合が代表戦となった。桐蔭学園は森山が健闘した長野日大の鈴木を下し、佐野日大は副将大平、大将但馬の勝利で筑紫台(福岡)に追いつき、但馬が代表戦も制する活躍を見せた。

【女子3回戦~準決勝】
中村学園女子の3回戦は桐蔭学園(神奈川)との好勝負となった。先鋒椎井がツキの一本勝ちで先行。次鋒戦引き分けのあと、中堅秋山は榎本にメンを先制されるもメンを返して引き分けとする。ポイントゲッターの1年生妹尾もここは引き分けて1―0のまま大将戦へ。ここで山﨑がメンを二本決めチームに勝利をもたらした。続く準々決勝は阿蘇中央(熊本)との九州対決。次鋒大津、中堅秋山がともに一本勝ちを収めると、妹尾が危なげなく引き分けてチームの勝利を決めた。
準決勝は磐田西(静岡)との対戦。先鋒椎井は一本ずつ奪っての引き分けとなったが、次鋒大津がメン二本を決めて勝つと、秋山もメンの一本勝ち、妹尾もメンの二本勝ちで一気に勝利を決め、結局山﨑も勝って4―0と完勝を収めた。

準決勝・中村学園女子×磐田西。次鋒戦、大津が二本目のメンを決める。

一方の筑紫台は3回戦で興譲館(岡山)と対戦。先鋒時田の二本勝ちのあとは2試合引き分けが続いたが、副将髙城がメンの一本勝ちで勝負を決めた。準々決勝は麗澤瑞浪(岐阜)との対戦、次鋒小森、中堅吉武がともに一本勝ち、髙城が引き分けてここも危なげなく勝利を収めた。準決勝の相手は進境著しい須磨学園(兵庫)だったが、ここも小森の勝利で1―0で迎えた副将戦を髙城がひきドウ、さらにメン返しドウを決め、またも副将戦で勝利を決めた。1回戦と決勝は1年生とは思えない貫録を見せる妹尾が貴重なポイントを上げたが、どこでもポイントを上げられる安定したチーム力が勝因といえるだろう。

準決勝・筑紫台×須磨学園。副将戦、髙城が二本目のドウを決める

磐田西(静岡)×東海大菅生(東京)の準々決勝は、先鋒松下の二本勝ちが効いて磐田西が一本差の勝利。須磨学園(兵庫)×久御山(京都)の準々決勝は須磨学園の次鋒島根が二本勝ち。これが両軍通じて唯一の勝利となった。3回戦は8試合中3試合が代表戦となり、阿蘇中央が作新学院(栃木)を、須磨学園が本庄第一(埼玉)を、麗澤瑞浪が済美(愛媛)をそれぞれ下している。

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