常歩剣道 伝統的打突法

  • 2016/7/28

カギは「左荷重」にあった

常歩剣道 伝統的打突法

●ムック
●B5
●96ページ
●980円(税込)
●ISBN 978-4-7899-6225-4

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著者紹介

木寺英史
(きでらえいし)九州共立大学スポーツ学部スポーツ学科准教授。昭和33年熊本県生まれ、剣道教士七段。筑波大学では剣道選手として活躍、卒業後、高等専門学校教員を務めながら、剣道の技術の研究をきっかけとして他分野の研究者やスポーツ選手との交流を深めつつ「常歩(なみあし)」理論を構築。平成16年に著した『本当のナンバ 常歩』(小社刊)が大反響を呼び、以後剣道界に留まらず、スポーツや身体操作全般にわたって精力的な著作活動、講演、コーチングなどの活動を続けている。
主な著書に『剣士なら知っておきたい「からだ」のこと』(大修館書店)、『錯覚のスポーツ身体学』(東京堂出版)、『健康で長生きしたけりゃ、膝は伸ばさず歩きなさい』(東邦出版)などがある。

担当編集者より

著者・木寺英史氏のデビュー作である『本当のナンバ 常歩』を世に出したのは2004年のことでした。
木寺氏自身も本書中で語っているように、剣道界では「◎◎先生にこう教わった」「◎◎先生はこう言った」という言葉がよく聞かれます。伝統的な技術を継承するという意味ではそれは当然のことかもしれませんが、自分の頭で考え、自分の身体で実践するということがもう少しあってもいいのではないでしょうか。そんな思いを抱いていた中で、独自性のある木寺氏の「常歩」理論との出会いは新鮮な発見でした。
『本当のナンバ 常歩』を刊行するにあたっては、剣道をする人たちよりも、もっと広くスポーツや身体を使ったパフォーマンスをする人たちを読者対象と考えました。剣道界では無名の(というのは失礼で筑波大学時代に全日本学生剣道優勝大会の準優勝メンバーとなっていますが、いわゆる有名指導者ではない)指導者による、オリジナリティにあふれた理論を受け入れるような土壌が剣道界にあるとは思えなかったからです。しかし実際には、剣道界以外の読者に多く指示されたのは予想どおりだったものの、剣道界でも予想以上に注目を浴びました。すぐに他社から剣道にテーマを絞った『常歩剣道』という木寺氏の著書が刊行される運びにもなりました。その後、八段審査に臨むにあたって参考にしたとか、七段、八段の剣士が「常歩(なみあし)」に取り組んでいるという話を何度か耳にしました。
以後の木寺氏の活動は剣道の世界に留まりませんでした。「常歩(なみあし)」の共同研究者は小田伸午氏、小山田良治氏をはじめ、サッカー、陸上競技、競輪など、さまざまなスポーツに関わる人がおり、そういう中で木寺氏自身も剣道よりも「常歩(なみあし)」の身体操作を指導者として活動していました。著作も精力的に執筆を重ねていました。
2012年に木寺氏はそれまで勤務していた高等専門学校から、九州共立大学のスポーツ学部に転じ、大学剣道部の指導に携わることになりました。もちろんそれまでも「常歩(なみあし)剣道」を指導する機会はあったのですが、どうやって教えるかを試行錯誤してきました。ところが日常的に剣道を指導する中で木寺氏の中で「左荷重」こそが「常歩(なみあし)剣道」を身につけるためのカギであるという発見があったのです。

その発見から生まれたのが本書です。『本当のナンバ 常歩』から11年を経て集大成された「常歩剣道」習得マニュアルというべき内容です。
木寺氏自身は本書の中でこう語っています。
 これまで、私が主張してきた「常歩」による剣道と、今の剣道をつなぐものがずっと分からなかったのですが、やっとそれが分かったということです。10年以上前に「常歩剣道」を主張してから、それをどうやって身につけさせるか、指導するかという点で試行錯誤してきました。これまでは「常歩歩行」という歩く動作を身につけることによって、「常歩」の動きが身につき、「常歩剣道」ができるようになる、というアプローチだったのですが、歩き方からではなく、左荷重による剣道をすることで「常歩剣道」にアプローチできる、というのが近年の大きな発見でした。
「左荷重」は剣道の伝統的な打突法を身につけるためのカギでもあります。一足一刀の間合で構えて打つときに、現在の多くの学生(に限らないかもしれません)は必ず、まず左足を動かしてから右足で跳び込む、と木寺氏はいいます。構えたところから左足を動かさずに一足で跳び込むことは剣道の基本の段階で学ぶはずですが、ほとんどの剣士は左足を動かさないと打てないそうです。そして、それはなぜかというと右足に荷重しているからです。それを左荷重にすることで、一足で打つ、伝統的な打突に回帰することができるというわけです。
「常歩(なみあし)」関連書を初めてひもとく方には、今までにまったく聞いたことのない剣道理論に接し、多くの新しい発見があること間違いなしの一冊です。
本書はB5版という大判のムック(雑誌と書籍の中間的な書物。MAGAZINE+BOOK)という形式で、なるべく写真を大きくし、ページ数を抑え廉価に設定しています。電子版もありますので、気軽に手に取っていただけるとうれしく思います。

本書の内容(目次)

第1部 伝統的打突法を取り戻す
「右荷重」による現代的打突法を「左荷重」に変えることで、伝統的な打ち方を身につけ、より「剣道らしい剣道」に近づくことができる。
①日本刀からの脱却
②現代的歩行と伝統的歩行
③現代的打突法
④伝統的打突法
⑤伝統的打突習得法

第2部 常歩(なみあし)剣道習得法
常歩剣道の構えの作り方、打突の仕方、左足で踏み込む技などの技づくり。伝統的打突法を発展させ、合理的で自然な動きの剣道へ。
①なぜ「常歩(なみあし)剣道」か
②構えをつくる
腰が入った構え/常歩の構え/あごの位置/
股関節を外旋させた構え/腕の外旋/左手は軽く握る/
中指を基準として竹刀を握る
③打突をつくる
体感を捻らない素振り/送り足での連続面打ち/
片足立ちからの打突/袈裟に振る/左足の引きつけ/
常歩の構えからの打突
④技をつくる
右・左と歩み足で打つ/左足で打つ/左単え身の構えから打つ

第3部 常歩(なみあし)の基礎づくり
常歩剣道をより高めるために必要な、ストレッチなどによる身体の基礎づくり、常歩歩行の習得など、「常歩的身体」を獲得する方法。
①屈曲動作と伸展動作
「地面(床)反力」を使う
②カラダをつくるⅠ 股関節をつくる
股関節のストレッチ/四股スクワット
③カラダをつくるⅡ 体幹をつくる
反る・丸める/伸ばす・縮める/捻る/つぶす
④カラダをつくるⅢ 「肩甲帯」をつくる
肩甲骨の柔軟性/肩の位置/肩甲骨の外放/
打突動作につながるトレーニング
⑤歩きをつくるⅠ 姿勢をつくる
正しい姿勢とは/外旋立ち/骨盤の傾き
⑥歩きをつくるⅡ 常歩(なみあし)で歩く
左と右の違い/右足はブレーキ/右半身と左半身/
片踏み/片踏みから常歩歩行へ
⑦歩きをつくるⅢ 膝を抜く
つま先の働き/踵の働き/膝抜き歩行
⑧気を知る

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